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今こそ電動化の時です

環境のためにできることとは?

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最近、自動車の世界では「電動化」が最もホットなバズワードの1つとなっています。これは、2つの重要な要因が見事に合致したことによるものです。1つは気候変動への関心の高まり、もう1つは自動車用電動部品の性能の大幅な向上です。

ところで、電動化とは何でしょうか。

電動化とは簡単に言えば、再生不可能なエネルギー源(石炭、石油、天然ガス)を利用する技術を、電気をエネルギー源とする技術に置き換えることです。再生可能エネルギーには、風力、太陽光、原子力、水力、地熱など、さまざまなものがあります。これらはすべて、温室効果ガスである二酸化炭素(CO)の発生を抑制するものです。

さらに詳しく説明すると

気候変動は実際に起こっており、温室効果ガスの排出が原因です。気候変動は、気温上昇と気象パターン異常の両方を引き起こします。野生動物が生息地を移動したり(あるいは姿を消してしまったり)、海面が上昇したり、氷帽が溶けたりするのもそのせいです。COはこの排出量の約75%を占め、2018年時点では月平均411ppm過去最高を記録しています

この数値は、人類が化石燃料を燃やし、大気中にCOを放出することにより、大幅に増加しました。温室効果ガスは太陽からの熱を吸収し、宇宙に放出せず、熱は地表にたまりすぎてしまいます。これは良くないことです。

いったい何が原因なのでしょうか?

温室効果ガスはあらゆるところから発生します。運輸業界は世界のCO排出の一因となっている唯一の業界ではありませんが、大きな一因となっています。世界のCO排出量の約5分の1は、道路、鉄道、航空のいずれかの移動によるものです。この3つのうち、鉄道の排出量が占める割合はわずか1%と最も小さく、飛行機は評判が悪いですが11.6%の排出量にすぎません。74.5%を占めるのは道路での移動です。全体の45.1%は自動車、バス、オートバイなどの乗用車によるもので、残りは貨物自動車が占めています。

Graph Global CO2 emissions in transportSource: https://ourworldindata.org/co2-emissions-from-transport 

電動化の話に戻ります

国も産業界も、電動化のために時間(とお金)を注いでいます。乗用車の場合、マジックナンバーは2030です。この年は、ほとんどの自動車会社がエンジン車の新車生産を大幅に減らすか、廃止することを約束している年です。これらの自動車は、高性能で洗練された外観の、ガソリンを使わない電気自動車に置き換わります。

自動車メーカーをバックアップするために、世界各国の政府は、自動車購入者に電気自動車を購入するよう大きなインセンティブを与え、充電インフラの拡充に何十億ドルも投資しています。電気自動車購入にまつわるすべての不安(とコスト)非常に早く解消され結果となって表れています2021年上半期のEV販売台数は、2020年比で168%増加しています

電気自動車が主流に?

最大の問題領域で大きな進展が見られる一方で、輸送のすべての側面がこれほど良い状態にあるわけではありません。トラックは、輸送におけるCO₂排出量の第2位(22.4%)であり、その道のりは長いのです。 着実に進展はしていますが、まだまだです。車両と積載物の重量が大きいため、電動化はより困難で、より高価になります。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の世界的大流行で、研究開発とテストに遅れが生じましたが、2021年に生産が開始され、中型トラックがそのスタートを切りました。中型トラックは、駆動に必要なバッテリーが小さく、回生ブレーキの恩恵も受けられるからです。大型トラックは、必要なバッテリーがより大きく、より高価になるため、もっと時間がかかると予想されます。

電気飛行機

2020528日、米国ワシントン州の上空で、最大級の電気飛行機(通称:eCaravan)が28分間の飛行を行い、時速100マイルを達成しました。750馬力の電気モーターと900kgのリチウムイオン電池を搭載し、9人の乗客を乗せることができます。電気飛行機は今のところ開発途上にあります。現在、Eviationのようにいくつかのメーカーが完全電動式民間航空機の開発に取り組んでいます。

これを交通手段の主流にするためには、まだまだ課題があります。飛行機は、近くに充電ステーションがない状態で、ずっと長い距離を移動します。また、重量もかなり重く、重い荷物を持った人を乗せて移動します。完全な電気商用旅客機はまだ夢のまた夢ですが、ハイブリッド電気による空の旅は、もっと早く叶うかもしれません。電気と燃料を組み合わせることで、完全な電動化を実現するまで、二酸化炭素排出量を削減するための良いスタートとなります。

電車

一方で、鉄道は古くから電動でした。最初の電車は、1879年にSiemens によって発表されました。馬車並みのスピードで最大25人が乗車できました。それ以来、効率的で手頃な移動手段として、高速化されたものが各国で設計、導入されてきました。Siemensの最も新しいモデルは、高速プラットフォーム「 Velaro 」です。2023年に発売が予定されているこの最新モデルは、10%サイズが大きくなるにも関わらず30%効率が向上します。これらの列車は、毎年1,375トンのCO₂排出量を削減することができます。

これは多くの電車の中のほんの一例で、 維持費はディーゼルエンジンより20%ほど安いのですが、残念ながら世界的に見ても十分な導入が進んでいるとは言えません。ディーゼルエンジンのインフラ整備にかかる初期費用は、電気より安価です。電気鉄道の方がランニングコストが安いことは、時間をかけて証明されていますが、最初からディーゼル路線を取り、今もそれを続けている国もあります。例えば、アメリカでは、電動化されている鉄道は1%未満です。しかし、州によっては、電動化を進めている場合もあります。ミズーリ州、ノースカロライナ州、テキサス州、中西部は、サウジアラビア、インドとともに、 Virgin Hyperloopsの第1号機を導入する予定です。

あらゆる交通手段の電動化については、まだやるべきことがありますが、確実に実現しつつあります。今は、歴史的な時代です。イノベーションはいたるところにあり、適切な研究、開発とテストを通じて、人類は地球とその気候を回復させることができるのです。

テストと電動化についてもっと知りたい方は、Avernaにご連絡ください

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