環境に優しい生活を送るのは簡単ではない
2015年にパリ協定が締結された後、 世界はカーボンニュートラルな社会へ効率的に移行する方法を読
み解こうとしています。 この協定の条項は以下の通りです。
- 長期的に、 世界の平均気温の上昇を1.5℃に抑え、 気候変動のリスクと影響を大幅に軽減する。
- 最新の技術的発見に従い世界の排出量を急速に削減し、 21世紀後半の排出量と除去量のバランスをとる。
190カ国がこの協定に署名し、 これらの目標を達成するための正式な行動計画を提出しました。 最近で
は、 これらの行動は「欧州グリーンディール」として正式に制定されました。 今回の協定では、 電気自動車(EV)の普及について、 さらに積極的な目標が設定されました 。
実行のためのインフラづくり
消費者が電気自動車を購入できない大きな要因のひとつに、バッテリーへの不安があります。 他のバッ
テリーと同様、 充電するために、 家でも公共の場所でも、 電源に接続する必要があります。 もしあなた
が人里離れた場所で6時間のドライブをしていて、 バッテリーの残量が少なくなっていたらどうでしょう?このまま目的地にたどり着けるでしょうか? 公共の場で利用できる充電器の設置台数を増やすことは、電気自動車を購入するかどうかの判断に大きな影響を与えます。
2020年1月、 欧州交通環境連盟AISBLは、 消費者が利用できる公共の充電ステーションの数を評価する
調査を実施しました。 2019年末時点で、 EU全体で18万5,000カ所の充電ポイントがありました。 これは
当時の需要をカバーするのに十分な数であると判断されましたが、 これからの需要に備えて計画を立て
る必要がありました。
Source: Recharge EU: How many charge points will Europe and its member states need in the 2020's.
2025年にはEU内の充電ポイントが130万カ所に増え、 2030年には300万カ所になると予想されていま
す。 これは無計画ではなく現実的な予測です。 2019年から2020年にかけて、 欧州自動車工業会はECV
の市場シェアが211%増加したと指摘しています。
充電器が増えれば、関心も高まる...そして複雑さも増す
当然ながら、充電器の数が増えれば、電気自動車の台数も増える。何百万人もの人々が、日常生活を送
るために、そして環境に優しい生活を送るために、この2つに依存する必要があります。メーカーにとって、これは夢のような話です。需要はすでにあるのだから、それに応えればいいだけ。簡単でしょう?
そうだとしても、 どちらの要素をテストするにも、それなりの課題が伴います。一流ブランドが求める品質を満たすには、徹底した検査が必要です。 そして、今が需要期であるため、迅速さも求められます。
充電器のテスト
EV充電器のハンドルは非常に薄く、 繊細な部品で構成されています。 壊れやすい部品ですが、 バッテリ
ー本体と同様に徹底したテストが必要です。また、 この薄くて繊細な部品は、 地域によって形状が異なり
ます。 さらに、 電圧や電流の大きな変動に対応する能力も必要です。
バッテリーのテスト
EVのバッテリーも一筋縄ではいきません。 2つのモードで動作し、 車両を稼働させます。 まず、 加速時の
エネルギー生成モード。 モーターがエネルギーを必要とし、 バッテリーシステムに電力を要求します。
うひとつは、 減速時やブレーキング時のモードです。 ここでは、 エンジンがクルマの運動エネルギーを電気に戻そうとします。 これがエネルギーリカバリーモードです。 その車を走らせ続けるために は、 両方が正しく機能する必要があり、 テストの複雑さが増しています。
とはいえ、 これらは取り組む価値のあるチャレンジです。 EVが気候に与える影響は、 非常に大きいことが証明されています。 電気自動車の信頼性が高まれば、 街中からガソリン車をなくすことができるのです。ためらう必要はありません。